Comparison between macroscopic Jc and microscopic Jc in Gd-Ba-Cu-O bulk superconductors 60 mm-class in diameter
手嶋 英一, 森田 充 (新日鐵住金); 瀬戸山 結衣, 山木 修, 下山 淳一 (東大)
Abstract:RE-Ba-Cu-O系バルク系(REはYまたは希土類元素)高温超電導バルク材は、磁場中でのピン止め力が強いため、卓上型NMR/MRI、医療用小型超強力磁石、MDDS、船舶用モータ、風力用発電機などの強磁場発生源としての応用が期待されている。Gd系バルク材は、RE系バルク材の中でも捕捉磁場特性が高いことで知られている。応用上重要な指標である臨界電流密度(Jc)には、バルク材全体の捕捉磁場特性から求められるマクロJcとバルク材から切り出した少試験片の磁化曲線からミクロJcがあるが、RE系バルク材の捕捉磁場特性をさらに向上させるには、マクロJcとミクロJcを比較し評価することは有用であると考えられる。そこで、本研究では、直径64.5mmの大型Gd系高温超電導バルク材を用いて、マクロJcとミクロJcの比較評価を行った。その結果、77K、1〜2Tの磁場領域では、マクロJcは13,000A/cm2程度、ミクロJcは15,000A/cm2程度と見積もられた。Gd系バルク材は60mm級の大型サイズにおいても結晶成長が良好で、マクロJcとミクロJcの差が比較的小さく、均一性に優れた材料であると言える。ミクロJcに関しては、ピン止め点を改善することで20,000A/cm2以上になるという報告例も多く、これら新規ピン止め点について結晶成長と両立させる材料技術を確立できれば、バルク材の捕捉磁場特性はさらに大幅に向上することが期待できる。