J-PARCにおけるSKS冷凍システムの5年間の運転実績

Five year operation of the SKS cryogenic system in the J-PARC


青木 香苗, 高橋 俊行, 岩崎 るり, 鈴木 祥仁, 荒岡 修, 槙田 康博 (KEK)


Abstract:SKS(超伝導K中間子測定施設)は大型の超伝導双極電磁石から成る冷凍システムである。つくばKEKから2009年に東海村J-PARCハドロンホールに移設された。この移設の際には中型のヘリウム冷凍機を使用したシステムからGM-JT冷凍機3台を主要な冷凍維持装置として採用した冷却システムへと改造が行われた。
その後、2011年3月11日に発生した東日本大震災により架台部分を破損したが、再び冷凍運転を行うことに成功し、設置角度の精度が十分に出ないままハドロンホールにおける原子核実験に利用されてきた。この架台部分の破損を回復し、地震に対してさらに耐性のある装置とするため、ハドロンホール内での改造移設を2013年度中に行うことが計画され、一部の工事が終了したところで、2013年5月23日にハドロンホールの放射性物質漏えいという事象が起き、現在は運転を停止している。今年度予定されていたハドロンホール内での改造移設に関しては延期された。
講演においては、SKSの5年間の運転を振り返り、故障状況と対策、保守管理と安全性について述べる。