種結晶の数と配置を考慮して異方的に成長させたYBCOバルク磁石のパルス着磁特性

Characteristic Pulsed-Field Magnetizing of Anisotropic-Grown Y-Ba-Cu-O Bulk Superconducting Magnets with Use of Various numbers and Positions of Seed Crystals


岡 徹雄, 山田 幸正, 堀内 琢磨, 小川 純, 福井 聡, 佐藤 孝雄 (新潟大); 横山 和哉 (足利工大); LANGER Marco (IFWドレスデン)


Abstract:Y-Ba-Cu-O高温超伝導バルク磁石にパルス磁場による着磁を行う際の磁束侵入挙動を、その磁場印加中と印加後の磁場分布と温度上昇の精密な測定のよって実験的に評価した。バルク磁石の合成に当たり、表面の種結晶の数を1つの場合に加えて、2個並列に設置し、結晶成長が表面内で異方的に起こるように操作した。作製されたバルク磁石の表面は種結晶の位置により、結晶成長領域に広い部分と狭い部分が生じた。1つの種結晶を用いる場合には3.8T の磁場印加で初めて資料中央に磁場が到達するのに対し、2つの結晶を用いて異方的に結晶成長した試料では印加磁場が3.1Tで中心まで磁場が到達して、磁場侵入の始まる磁場強度が下がり、またその侵入時間が短いことが確かめられた。より低い磁場での侵入挙動は着磁に際しての発熱の抑制に繋がると考えられることから、この磁束侵入挙動の研究が更なる捕捉磁場の向上をもたらすと暗示される。