A simulation of NbTi magnet with Partial-insulation technique
野口 聡, 伊藤 竜誠 (北大); KIM Youngjae, HAHN Seungyong, IWASA Yukikazu (MIT)
Abstract:近年,無絶縁超電導線を用いたコイルの巻線技術に注目が集まっている.無絶縁超電導コイルは通電電流が線間を迂回して流れることができる構造をしており,励磁中の安定性が向上することが実験的に分かっている.その一方で,コイルの時定数が大きくなることから,励磁や消磁に時間がかかるという問題点も報告されている.この問題点を解決するために,線間の一部だけを選択的に絶縁する技術が現在までに提案されているが,本稿ではその技術の有効性を,数値シミュレーションを通して示す.数値シミュレーションでは,巻線のインダクタンスと線間の抵抗を考慮した等価回路を提案し,コイルの端子電圧と電流分布を調査した.シミュレーションの結果から,励磁時間の短縮のために線間の選択的な絶縁が効果的であることが示され,効果的な絶縁方法を考案するための知見が得られた.