非強化線材を用いた伝導冷却型高温超電導コイルの開発(2)
-励磁中の温度計算手法-

Development of a conductively-cooled high-temperature superconducting coil using a non-reinforced wire (2)
–A calculation method for the temperature during energization -


宮副 照久, 青木 学, 安藤 竜弥, 中山 武 (日立)


Abstract:伝導冷却型高温超電導(HTS)コイルを開発している。その設計のためには励磁中の温度変化把握が必須である。そこで、励磁中の発熱量と冷凍機による吸熱量とを過渡的に変化させた温度変化計算手法を開発した。本開発手法の特徴は発熱の中で支配的であった巻線部の磁化履歴損失による発熱を励磁電流に依存した磁化曲線の周回積分により求めた点である。計算結果と試作コイルの試験結果と比較したところ、目標電流到達時の実測8.6 Kに対し、計算結果は9.8 Kであり、14%の計算精度であることを確認した。また、HTSコイルの運転が期待される20 K付近では巻線部の比熱が約5倍大きくなることから実測との誤差は1 K以下となる見込みである。