非強化線材を用いた伝導冷却型高温超電導コイルの開発(1)
-φ300mm級プリプレグ成型コイルの伝熱特性評価-

Development of a conductively-cooled high-temperature superconducting coil using a non-reinforced wire (1)
-Evaluat ion of heat transfer propety on φ300mm-class prepreg moulding coil -


青木 学, 宮副 照久, 安藤 竜弥 (日立)


Abstract:伝導冷却型高温超電導コイルの電流密度向上を目的に金属ラミネート加工がない非強化型ビスマス系高温超電導線材(以下、非強化型線材)を用いた超電導コイルを開発している。その課題として、交流損失に代表されるコイル発熱を除去可能なコイル巻線部伝熱構造を確立することがある。そこで、本研究では、伝熱構造として従来利用されているエポキシ樹脂およびプリプレグを伝熱構造とするコイルを試作した。プリプレグを伝熱構造に利用するにあたり、コイルをソレノイド形状に巻線し層間にプリプレグシートを挿入することで、コイル軸方向への熱伝導率を向上させた。温度20Kでの励磁試験の結果、上記2つの伝熱構造におけるコイル巻線部の温度差は0.01Kとなり、同等の熱伝導率を示すことを確認した。