Improvement of superconducting properties in BaHfO3-doped Nd1+xBa2-xCu3Oy thin films by controlling the Nd/Ba composition
澤野 友祐, 一野 祐亮, 吉田 隆 （名大）
Abstract:REBa2Cu3Oy(REBCO : RE = Rare Earth)においてREとBaのイオン半径が近いほどRE/Ba置換が起こりやすく、固溶限界が大きい。このRE/Ba置換型固溶体がTcの低下を引き起こす一方で、微細に分散した固溶体が磁場中においてPCとして働き、薄膜のJcが向上することが報告されている。本研究はRE/Ba置換による磁場中超伝導特性の向上及び超伝導特性に与える影響を明らかにするために、BaHfO3(BHO)添加Nd1+xBa2-xCu3Oy(NdBCO)のNd組成を変化させた薄膜を作製、評価し検討を行った。NdBCO薄膜はPLD法により作製し、BHOはターゲット交換法により導入した。またNdBCO焼結体の組成を変化させることにより、複数のNd/Ba組成を持ったNdBCO薄膜を作製した。作製したNdBCO薄膜のTcは約92Kを示した。Ndの組成比が大きい薄膜は全磁場印可角度においてJcが向上し、最大巨視的ピン力密度を示す磁場が高磁場側へ移動した。