鉄心利用超電導風力発電機用コイルモジュールを想定した冷却試験

Cooling test of a supposed superconducting coil module used for a wind turbine generator with iron cores


山崎 裕文, 名取 尚武, 古瀬 充穂 (産総研)


Abstract:自然エネルギーで最も有望な風力発電について、発電サイトの総発電容量を増大させる風車の大型化が大きなトレンドとなっているが、現用技術の延長では発電機の大型化に伴う重量増大が問題となるため、高電流密度・高磁界を特長とする超電導技術の利用による小型軽量発電機が期待されている。高磁界空心コイル方式(回転子のみ超電導)で発電機の超小型軽量化が可能であるが、高価な高温超電導線材を大量に使用するため、コスト制約の厳しい風車用発電機の実現は困難である。我々は、発電機の低コスト化を重視する観点から、線材長を大幅に低減できる鉄心利用方式が適当と判断した。そして、鉄心の周りに配置する超電導コイルのみを冷却するコイルモジュール方式を想定し、真空容器の構成法、コイル支持方法などを検討して、侵入熱を理論的に見積った。その検討に基づいて実際に真空容器を製作し、銅製のダミーコイルを液体窒素・ヘリウムで冷却して問題なく冷却できることを確認するとともに、侵入熱を測定した。