Impurity effect on superconductivity of Fe(Te,S)
佐藤 和輝, 石川 恵介, 亀卦川 尚子 （一関高専）
Abstract:11系の鉄系超伝導体Fe(Te,S)は、層間の過剰鉄が超伝導発現を妨げているといわれている。これまでの報告によると、Fe(Te,S)の超伝導性は低温ポストアニールを施すことによって初めて現れる。しかしながら、本研究ではas-grown試料で抵抗ゼロを観測した。X線回折の結果からFeTe2相の析出が認められた。これが、過剰鉄の軽減に寄与し、超伝導を出現させていると考えられる。また、常伝導状態の磁気抵抗を測定したところ、超伝導を示さないFeTeが正の磁気抵抗を示すのに対し、S置換した試料では負の磁気抵抗が観測された。その大きさは10-3と非常に小さいが、明らかなB2依存性が認められた。講演では、これらの磁気抵抗と過剰鉄及び不純物相との相関についても議論する。