MgB2素線の液体窒素温度中における応力-歪み特性及びポアソン比測定

Measurement of Stress-Strain Properties and Poisson’s Ratio of MgB2 Strand in LN2


浅見 拓也, 太田 成美, 葛 雅志, 高尾 智明 (上智大); 新冨 孝和 (日大); 槙田 康博 (KEK); 濱島 高太郎, 花田 一磨 (八戸工大); 津田 理, 宮城 大輔 (東北大); 岩城 勝也 (岩谷産業)


Abstract: MgB2は低コストかつ高い臨界温度(39 K)を持ち,今後の更なる発展が期待される。しかし,現在MgB2の歪みに対するデータが極めて少ないため,MgB2の機械特性の把握が重要となる。
 そこで,本研究では外部磁場を印加し,MgB2素線のIc-歪み依存特性を測定する試験を考案した。この試験では,MgB2素線をスプリング状にしたサンプルを使用し,そのスプリングを伸長することで歪みを掛ける。ただし,この時の歪みは,コイルばねの定義式から求められるせん断歪みであるため,MgB2素線のポアソン比を使い縦歪みに変換する必要がある。しかし,MgB2素線の応力-歪み特性やポアソン比のデータは現在全く分かっていないため,Ic-歪み依存特性試験のために引張試験を行い材料特性の把握を行った。
 今回は,室温と液体窒素温度中にてそれぞれ引張試験を行い,MgB2素線の応力-歪み特性及びポアソン比を測定したので報告する。