超低磁場SQUID-NMR/MRI応用のための磁気ノイズ低減に関する研究

Study of magnetic noise reduction for ultra-low field NMR/MRI using HTS-SQUID


廿日出 好, 今村 啓佑, 村田 隼基 (豊橋技科大); 安達 成司, 田辺 圭一 (SRL); 田中 三郎 (豊橋技科大)


Abstract:本研究では、超低磁場SQUID-NMR/MRIのための、環境磁場ノイズ低減に関する研究について報告する。高価で重量の大きい磁気シールドルームを用いずに超低磁場SQUID-NMR/MRIを実現するには、時間・空間的に安定した静磁場環境と、磁気シールドルームと同様、SQUIDを低ノイズレベルに保てる磁気シールドが必要である。そこで、超低磁場NMR/MRIを計測する空間の磁気雑音低減のため、フラックスゲート磁束計を用いた簡易・小型なアクティブシールドルームを構築し、そのルーム内に設置したHTS-SQUIDをBi円筒で囲うことにより、SQUIDが低磁気ノイズ環境に保たれるシステムを試作した。ここでは、約20pT/Hz^1/2の磁場感度を有するフラックスゲート磁束計を用い、コイルを巻いた約2m立方のアルミ枠を用いてアクティブシールドルームを構築した。また、直径約53mmのBi円筒およびドーム形状の底の付いた同じ直径の底付きBi円筒を上記ルーム内に設置、液体窒素で冷却し、HTS-SQUIDをこれら円筒内に設置した。SQUIDノイズを計測し、本ノイズ低減システムの性能を評価した。この結果、アクティブシールドルームとBi円筒を組み合わせることにより、簡易な磁気シールドルーム内での測定と同等に近いSQUIDのノイズレベルが得られた。また、底のないBi円筒よりも底付き円筒の方が高い磁気ノイズ低減性能をもつことがわかった。