Ti-6Al-4V合金の極低温高サイクル疲労特性に及ぼす組織の影響

Effect of microstructure on high-cycle fatigue properties for Ti-6Al-4V alloy at cryogenic temperature


由利 哲美, 小野 嘉則, 緒形 俊夫 (NIMS); 砂川 英生 (JAXA)


Abstract:極低温での高速回転下における使用環境となる国産宇宙ロケットエンジンのターボポンプ用材料は、実使用環境である極低温における高サイクル疲労特性評価は不可欠である。我々はこれまでに、Ti-6Al-4V(Ti64)合金鍛造材(α+β)-anneal材にβ域から炉冷(FC)を施した材料を用い、極低温(20 Kガスヘリウム中(GHe))における高サイクル疲労試験を実施し、百万回付近以上の長寿命側における疲労強度は、FC材の方が(α+β)-anneal材より高い値を示すことを報告した。本研究では、FC材と同様にTi64合金をβ域まで加熱し、冷却条件を空冷(AC)および水冷(WQ)とし組織を変えた材料で、20 K GHe中における高サイクル疲労試験を行い、疲労特性を比較・検討した。