超電導バルク磁石を用いた磁気的遺伝子導入のための研究

Study on magnetic gene transfer by using HTS bulk magnet


中川 公太, 大阿久 佳宏, 玉田 順也, 三島 史人, 秋山 庸子, 大窄 マリアナ今日美, 中神 啓徳, 西嶋 茂宏 (阪大)


Abstract:従来の治療法では根治が困難であった高血圧などの遺伝病や癌に対して、有効な治療法として遺伝子治療が注目されている。この遺伝子治療には、治療用遺伝子情報を組み込んだDNAを病原組織へ配送することで、細胞の欠陥を修正する手法があり、DNA配送を行う際、安定性や導入効率の向上のために、担体を利用する必要がある。物理的外力によって、このようなDNA担体の体内動態を制御することが出来れば、遺伝子の導入効率が向上することが予想される。本研究では、超電導バルク磁石による強磁場を利用し、DNA担体を体外から制御することで、局所的でかつ高効率な遺伝子発現を目指すものとする。
本研究では、シミュレーションによって、磁性DNA担体の集積可能性を評価し、この結果に基づいて、ラットを用いた磁性DNA担体の磁気力集積実験を行った。以上のように、磁気力による局所的でかつ高効率な遺伝子導入の手法を提案し、その実現可能性を検討した。