次世代超電導サイクロトロンの開発:YBCO線材の中性子照射時の放射化特性

Development of Next Generation HTS cyclotron: Neutron-induced radioactivation characteristics


宮原 信幸 (放医研); 柄澤 彰良, 王 旭東, 石山 敦士 (早大); 植田 浩史, 福田 光宏, 畑中 吉治 (阪大)


Abstract:筆者らは,小型・高効率・高性能の次世代型重粒子線がん治療用加速器の実現をめざし,YBCO超電導コイルを用いたサイクロトロン加速器の開発を進めている。超電導線材をはじめとするYBCO超電導コイルの各要素は放射線環境中での利用が想定される。このような環境中において,機器が放射化することは,装置のメンテナンス時のハンドリングや廃棄時の処理,被曝管理を困難にしてしまう可能性がある。したがって,
YBCO超電導コイルの加速器への応用に向けてコイルを構成する要素の放射化特性を評価する必要がある。以上の観点より,我々は基礎実験として,高温超電導線材に中性子線(14 Mev, 77kGy)を照射した場合のRI生成物についての評価を行ったので報告する。なお,本研究の一部は科研費(基盤研究A:No. 23246053)に依ったことを付記する。