バルク超伝導体を用いた短周期アンジュレータの開発 (2)

Development of a short period undulator using bulk HTS (2)


紀井 俊輝, 金城 良太, 柴田 茉莉江, Omer Mohamed, Negm Hani, Choi Yong Woon, 吉田 恭平, Konstantin Torgasin, 島橋 享兵, 井門 秀和, 奥村 健祐, 全 炳俊, 増田 開, 大垣 英明 (京大)


Abstract: 放射光の短波長化、輝度の向上は主に加速ビームの高エネルギー化、大電流化とアンジュレータの短周期・強磁場化によって達成されてきた。我々はバルク超伝導体をソレノイドコイル中に周期的に配置してバルク体内部に超伝導電流を誘起することで短周期・強磁場を実現する超伝導バルクスタガードアレイアンジュレータを提案し開発を行っている。
 これまでに液体窒素温度領域での動作原理検証に成功したが、放射光発生装置として実用的な磁場強度を実現するためには臨界電流密度1 kA/mm2以上となる温度領域での運転が必要であることも判明した。そこで、77 K以下の温度領域での実用性能の確認とヘリウム連続流クライオスタットと2 Tソレノイドを用いた極低温試験機の開発を行った。極低温試験機を用いた磁場生成試験において、周期10 mm、磁極間4 mmの条件でアンジュレータ磁場強度0.85 Tを達成した。
 本講演では、極低温試験機の概要、磁場生成試験の結果、将来展望について報告を行う。