超電導特性の不均一分布を想定したYBCO超電導ケーブルの通電・伝熱特性解析

Numerical Analyses on Electro-thermal Characteristics of YBCO Superconducting Cable assumed Non-uniform Superconducting Characteristics


王 旭東, 石山 敦士 (早大); 大屋 正義 (住友電工); 丸山 修, 大熊 武 (SRL)


Abstract:66 kV級YBCO超電導ケーブルは、定常時に5 kArmsの送電が要求される。実用化の際に、仮に超電導特性に不均一分布が生じると、定常時に超電導層の電流分布が不均一となり偏流の可能性がある。もし劣化箇所が局所的な場合は、発生する抵抗性電圧がケーブル内の誘導性電圧よりもはるかに小さいため、電流偏流が生じず劣化箇所での発熱によりケーブルの熱暴走・焼損に至る可能性がある。そのため、YBCO超電導ケーブルの実用化を目指すには、長尺のケーブル導体に対して、超電導特性の不均一分布に起因する偏流特性および局所劣化を想定した伝熱特性の評価が重要となる。そこで今回は、1 kmのケーブル長に対して1層の超電導層をモデル化し、超電導特性の劣化の程度と劣化の長さが偏流特性に及ぼす影響を解析評価した。また、局所劣化の場合における電流分布から発熱量を算出し、ケーブル導体をモデル化した伝熱特性も解析評価したので報告する。なお、本研究は「イットリウム系超電導電力機器技術開発プロジェクト」の一部としてNEDOの委託により実施されたものである。