ポインチングベクトル法による超伝導変圧器の運転モニタリングシステムの開発5
−局所異常発生時の測定−

Development of a Monitoring System of Superconducting Transformer by Using Poynting’s Vector Method 5
–Measurements of local abnormal condition-


樋渡 裕紀, 濱田 佳志, 川越 明史, 住吉 文夫 (鹿児島大); 岡元 洋 (九州電力)


Abstract:超伝導変圧器の実用化には、運転中に巻線の健全性を常時監視するためのシステムの開発が必要である。そのために我々は、ポインチングベクトル法を応用した超伝導変圧器の運転モニタリングシステムを提案している。このシステムは、ピックアップコイル対を室温空間に配置した非接触型のシステムであり、我々はこれまでに、巻線を冷却する液体窒素を自然蒸発させることで広範囲に発生させた異常をこのシステムで検出できることを実証している。しかしながら、実際には局所的な異常が生じる可能性が高いと考えられる。そこで今回は、超伝導変圧器に生じる局所的な異常を検出することを目的とし、実証実験を行った。実験には、Bi-2223の多芯テープ線を用いた液体窒素冷却型の630VA超伝導変圧器を使用した。この超伝導変圧器に複数のピックアップコイル対を用いたシステムを適用し、異常検出試験を行った。その結果、本システムによる局所異常の検出および異常発生箇所の特定が可能であることを明らかにした。