イットリウム系幅広線材を用いた積層コイルの開発

Development of a conduction cooled coil composed of a stack of single pancakes wound with YBCO wide tapes


岩井 貞憲, 宮﨑 寛史, 戸坂 泰造, 田﨑 賢司, 浦田 昌身, 井岡 茂, 石井 祐介 (東芝)


Abstract:イットリウム系線材はテープ形状をしており、負荷率や運転条件に応じて適切な線材幅を選択できる特徴を持つ。パンケーキコイルを複数積層する構成において、より幅の広い線材を用いる場合、電流密度は変わらないが、幅方向への分流効果で許容電流値が増加し高磁場化できる可能性がある。そこで、実際に幅の異なる線材を用いて同外形の積層コイル(12 mm幅4積層と4 mm幅12積層)を試作し、発生磁場に対する幅の違いの影響を調べた。12 mm幅広線材を用いたコイルは20 Kにおいて5.9 Tを達成し、4 mm幅線材の1.3倍となる高磁場化に成功した。