パンケーキコイル高強度化のための新コイル構造(2)
‐検証実験‐

A new stress control structure for high strength pancake coil wound with REBCO conductors


渡部 智則, 長屋 重夫, 平野 直樹 (中部電力); 淡路 智, 小黒 英俊 (東北大); 石山 敦士 (早大)


Abstract:電磁力に対する耐性の高いコイル構造は、高磁場応用において超電導線材の通電特性を発揮するために必要である。コイルに作用する電磁力をコイル構造体全体で支える構造を、Y系超電導線材を用いたダブルパンケーキコイルに適用し、フープ力の耐性を検証した。8T、4.2Kで1,500Aのコイル通電を行い、その結果、電磁力計算で1.7GPaの応力に対して、コイル全体で応力を支えることでコイル特性のは低下せず、超電導特性を維持していた。また、試験中の超電導線材の引張ひずみは最大0.4%程度で、コイル構造体が応力を支えることで線材のひずみを制限していることが判明した。なお、本研究は「イットリウム系超電導電力機器技術開発プロジェクト」の一部としてNEDOの委託により実施されたものである