3C-a01

低温容器外周のピックアップコイル群を使う高温超伝導コイル巻線で発生する常伝導領域の非接触型検出法

Non-contact Detectors of Normal Zone Appearing in Superconducting Coil Windings by Using Pickup Coils Put Outside a Cryostat


川越 明史, 藤岡 直人, 森部 裕章, 住吉 文夫 (鹿児島大)


Abstract:高温超伝導コイルは運転温度が高いために比熱が高く、局所的な温度が上昇するホットスポットが発生する可能性がある。したがって、局所的な異常を測定することのできる測定法が必要である。我々は、高温超伝導コイルに発生する局所的な常伝導領域を非接触で検出できる新しい測定法を提案している。この測定法の特長は、低温容器外周に設置したピックアップコイル群を使用して電気的に測定することができるため、信頼性が高く安全でメンテナンス性に優れていることである。本測定法では、測定する超伝導コイルの外側の電界と磁界を測定することによってポインチングベクトルを求め、その変化を観測することにより、巻線状態を監視する。これまでに、Bi-2223多心テープ線で巻線した空芯のコイルや変圧器に常伝導領域を発生させ、その異常が本測定法で検出できることを実験的に明らかにしている。今回は、本測定法によりポインチングベクトルが非接触で測定できることを理論的に説明する。