Study on the propagation velocity of the LHD helical coil: part 2.
今川 信作 (NIFS)
Abstract:大型ヘリカル装置(LHD)ヘリカルコイルの冷却安定性を総合的に理解するため,ヘリカルコイルおよびモデルコイルにおいて実測された常伝導伝播速度およびその最小値を再現できるような解析モデルの構築を進めている。モデルコイルにおいては,導体とスペーサの間に挿入された長さ10 mm程度のテープヒータを用いて短い常伝導部を生成し,それが拡大伝播するか否かを調べて,最小伝播電流を求めた。得られた常伝導伝播速度の最小値は飽和ヘリウム中では6 m/sであり,これよりも遅い伝播速度では1ターンを超えて伝播することはなかった。冷媒のサブクール度を大きくすると,同じ電流値に対する常伝導伝播速度が遅くなるだけでなく,伝播速度の最小値も上昇して,3.5 Kのサブクール液体ヘリウム中では 8 m/sにまで上昇した。超伝導線と高純度アルミニウム安定化材と銅シースの3つの領域に分割して,各々間に接触抵抗を導入することにより,実測値に近い電流値での常伝導伝播を再現することができることが分かった。定常熱伝達係数を用いた解析では常伝導伝播速度が実測値に合うような解析条件にすると伝播速度の最小値が小さくなるため,過渡熱伝達を考慮した解析を進めている。これらの解析結果について報告する。