2P-p02

HTS-SQUIDグラジオメータを用いた8チャンネル磁性金属異物検出装置

8-Channel Magnetic Metallic Contaminant Detector Using HTS-SQUID Gradiometers


北村 善洋, 黒澤 龍一, 廿日出 好, 田中 三郎 (豊橋技科大); 大谷 剛義, 鈴木 周一 (AFT)


Abstract:本研究ではHTS-SQUIDグラジオメータを用いた8チャンネル型異物検査装置について検討を行ったので報告する。リチウムイオン電極箔などの工業製品において、鉄やステンレスなどの微小な磁性金属異物の混入が製品の機能異常を引き起こすことが明らかとなっている。このため現在、50μm未満のサイズの磁性異物の検出が可能な装置が求められている。そこで、我々は高感度かつ、高時間分解能を持つHTS-SQUIDを用いた異物検出装置の開発を行ってきた。これらの装置では、製品を磁石で磁化し、含まれる磁性異物の残留磁化を検出する方式を用いるが、磁性材料を含む電極箔の場合、電極箔自体が磁化をもつため混入した磁性異物の磁化と重畳し、異物検出は困難となる。このため、本研究では微小な異物による局所的磁場変化を検出できるSQUIDグラジオメータを採用し、かつ幅を有する製品の全体検査に対応できるようにグラジオメータを8個設置した異物検査装置を開発した。この8チャンネルSQUIDグラジオメータを用いた異物検出装置によって、SUS製直径100μmの金属異物の検出することができた。さらに小さな50μm未満の磁性金属異物の検出を現在行っており、この結果については本学会にて説明を行う。