AC loss reduction of TFA-MOD coated conductors in long length by laser scribing technique
平野 寛信, 町 敬人, 高木 裕司, 高橋 保夫, 和泉 輝郎 (SRL); 澤田 俊幸, 宇都 浩史, 岩熊 成卓 (九大)
Abstract:Y系MOD超電導線材は低コスト製造が可能な事から、変圧器、送電ケーブル、SMES等の将来の電力機器への適用が期待されている。これらの機器は運転時に磁場中で使用されるために磁場中での交流損失低減が要求される。低交流損失化の方法として、線材を幅方向に分割した分割線材について製造技術の開発及び評価を行っている。
今回、MOD法で作成した長尺線材をレーザスクライビング加工を行い5分割線材を作成した。作成した線材のフィラメント5本の臨界電流(Ic)及びTapestarによるヒステリシス損失の測定評価を行った後、コイルを作成して交流通電時の損失を各フィラメントに流れる電流を測定する事により検証を行った。
まず、各フィラメントの臨界電流(Ic)を測定した結果、Ic=7〜25Aとなり、また、Tapestarによるヒステリシス損失は分割前と比較して、ほぼ全長で1/5(1/分割数)以下となり、作成した線材及び分割加工の長尺健全性が確認出来た。この線材をコイル状に巻いて交流通電時に各フィラメントに流れる電流値を周波数を50〜150Hzの範囲で変化させて測定した結果、各フィラメントに流れる電流値のばらつきは各周波数で20%程度であり、長尺線材に通電した時の交流通電損失がほぼ1/5(1/分割数)になっている事が確認できた。