1D-p01

拡散プロセスを用いて作製したFeSe超伝導線材の作製

Fabrication of FeSe superconducting wires by diffusion process


尾崎 壽紀, 出口 啓太, 水口 佳一, 川崎 保名, 山口 尚秀, 熊倉 浩明, 高野 義彦 (NIMS)


Abstract:FeSeなどの11型鉄系超伝導体は、高い上部臨界磁場を示しながら、LaFeAs(O,F)などの他の鉄ヒ素化合物と比較して毒性が低く、結晶構造が単純であるため応用への可能性が期待されている。我々は11型鉄系超伝導体の線材作製に取り組んできた。今回、鉄シースにSe粉末のみを詰めて加工、熱処理するという非常に簡便な方法(鉄拡散Powder-in-tube(PIT)法)で、高い超伝導特性をもつFeSe線材を作製することに成功した。この方法は多芯線の作製にも非常に有効であるため、応用面においても期待できる。本稿では、鉄拡散PIT法を用いて作製したFeSe線材の超伝導特性及び、微細構造について報告する。