1C-p02

長尺RE-123線材の面内臨界電流密度分布の非破壊評価に向けた走査型ホール素子顕微鏡システムの高速化

Speed-up of Scanning Hall-probe Microscopy System for Nondestructive Characterization of In-plane Distribution of Critical Current Density for Long RE-123 Coated Conductors


東川 甲平, 今村 和孝, 塩原 敬, 井上 昌睦, 木須 隆暢 (九大); 飯島 康裕, 齊藤 隆 (フジクラ); 吉積 正晃, 和泉 輝郎 (SRL)


Abstract:希土類系高温超電導(RE-123)線材の臨界電流向上と長尺化は着実に進展しており,現在では機器応用に向けた均一性の確保が重要な局面を迎えている。そこで我々はこれまでに,走査型ホール素子顕微鏡を用いた検討によって,同線材の面内臨界電流密度分布の非破壊評価手法の開発に取り組んできた。具体的には,短尺試料を対象として解像度100ミクロン程度の評価結果を示し,欠陥位置の検出・プロセスに起因する臨界電流密度分布の形状・細線化等の線材加工技術の評価が可能となることを報告してきた。本研究では,本評価手法をさらに長尺線評価技術として展開すべく,その際に大きな課題となる評価速度の大幅な向上に取り組んだ。その結果,従来の100倍程度にまで評価速度を向上させることに成功し,データ取得解像度を線材幅方向に40ミクロン,線材長手方向に1 mmと設定した例では,36 m/hの評価速度を達成した。本研究は,希少金属代替材料開発プロジェクトの一環としてNEDOからの委託を受けて実施するとともに,日本学術振興会の科研費(20360143,20・1945)の助成を得て行ったものである。