Critical state theory
松下 照男 （九工大）
Abstract:オームの法則が成立しない超伝導体における電流の流れは従来から現象論的な臨界状態モデルで記述されることが知られている。しかしながら、超伝導が発見されて100年が経つ今日においても、そのモデルの学問的裏づけはなされていない。ここではラグランジュ関数を最小にする変分原理から運動方程式である力の釣り合いの式を導き、合わせて統計的加算理論を用いて可逆なピン力が不可逆なピン力へと連続的に変化することを示す。これにより臨界状態モデルを臨界状態理論へと深化させることができる。