Relationship between starting MgB2 powder and Jc of ex-situ MgB2 bulks
田中 裕也, 山本 明保, 伊藤 明植, 下山 淳一, 荻野 拓, 岸尾 光二 （東大）
Abstract:Ex-situ法は既製のMgB2を反応容器に充填後、加工・熱処理によってMgB2多結晶体を作製する方法である。Ex-situ法により得られたMgB2多結晶体はin-situ法と比較して、組織が均一、充填密度が高いなどのメリットがある反面、粒間の結合が弱く、コネクティビティ、Jcが低いことが報告されてきた。我々は、ex-situ法MgB2多結晶体の結晶粒間の結合の強化を目的とした研究を行っており、高温で長時間熱処理を施すことで常圧下においてもMgB2が自発的に焼結し、粒間結合とJcが向上できること[1]、Mg融点以下の低温熱処理で合成した原料MgB2粉末を使用することでさらに粒間結合とJcが向上できること[2]を報告している。本報告では、ボールミルによって微細化したMgB2粉末を原料としてex-situ法MgB2バルクを作製した。1時間以内のボールミルによってMgB2粉末は微細化され、これを使用したバルクは、均一な組織と高いコネクティビティ、Jcを有した。講演では、原料粉末がex-situ法MgB2バルクの焼結機構、粒間結合と臨界電流特性に及ぼす影響について議論する。
[1] 田中他, 2010年度秋季低温工学・超電導学会1D-p01.
[2] 田中他, 2011年度春季低温工学・超電導学会1D-a04.