第三高調波電圧誘導法におけるV3のSrTiO3バイクリスタル基板傾斜角依存性

Dependence of V3 on misorientation angle of SrTiO3 bicrystal substrates in the third harmonic voltage method


沖田 健佑, 谷川 将志, 笠原 慎平, 畠中 裕宅, 末吉 哲郎, 藤吉 孝則 (熊本大)


Abstract: 結晶粒界などの臨界電流密度Jcを減少させる要因となる欠陥は,高温超伝導テープ線材開発において大きな問題のひとつである.そのため,この欠陥を非破壊・非接触で検出,評価する方法が必要となる.臨界電流密度Jcを非破壊・非接触で測定できる方法のひとつに,第三高調波電圧誘導法がある.この方法は微小なコイルに交流電流を流すことで,局所的な測定が可能である.
本報告では,傾斜角の異なる3枚のSrTiO3バイクリスタル基板(2θ = 10º,22.6º,36.8º)と単結晶SrTiO3基板にYBCO薄膜を作製し,第三高調波電圧誘導法を用いて,各薄膜のV3-I0特性を測定した.バイクリスタル基板上YBCO薄膜のV3-I0特性にV3の特徴的な2段階の立ち上がりを観測した.また,傾斜角の大きさや印加磁場に依存した各薄膜のV3の振る舞いについての測定結果を報告する。