高温超電導誘導同期機における自律安定性の実証

Evidence of autonomous stability in HTS-ISM


北野 紘生, 中村 武恒, 関口 大輔, 雨宮 尚之 (京大); 伊藤 佳孝 (イムラ材研)


Abstract: 我々は,高温超電導誘導同期回転機(High Temperature Superconductor Indution/Synchronous Machine: HTS-ISM)を輸送機器へ展開する研究開発を精力的に行っている。一方,本回転機はかご形誘導機の基本構造を有していることから,Ohmの法則に従う2次巻線抵抗が小さくなった場合に回転制御不能となり,システムが本質的に成立しないという危惧や批判がある。
それに対し,本研究ではHTS巻線の起磁力依存非線形抵抗を利用することによって,回転安定性が保証される制御法(自律安定制御)を提案しており,これまで理論解析によってその妥当性を明確化している。本講演では,さらに20 kW級機を使用し,通常の輸送機器運転の想定ではあり得ないが敢えて無負荷で急加速させて,上記自律安定性を明確に実証したので,その結果を報告する。