超伝導ナノストリップにおける電流分布

Current distribution in superconducting nano-strips


馬渡 康徳 (産総研)


Abstract:ミアンダ状のナノ構造をもつ超伝導ストリップライン検出器 (SSLD) は,光子〜高分子などの粒子の超高速検出が可能であり,質量分析や量子通信分野などへの応用が期待されている.この SSLD では,ミアンダ状の超伝導ストリップラインに電流を流しておき,ストリップラインに粒子が衝突することにより生じるパルス電圧を検出する.検出面の大面積化を目指して数本のストリップラインを並列化した構造が研究されているが,並列化に伴う電流分布の不均一性などの影響が解明されていない.本研究では,超伝導ストリップにおける電流分布について数値計算を行い,ストリップラインの幅や並列化の影響,およびストリップライン間の溝での磁束トラップの影響について,理論的に考察を行った.