磁気プラズマセイル用マグネットの最適設計に向けたY系高温超電導コイルの電流輸送特性に関する基礎検討

Fundamental study on current transport property of Y-system HTS coil aiming at optimal design of magnet for Magneto-Plasma-Sail


中村 武恒 (京大); 船木 一幸 (JAXA); 山川 宏 (京大)


Abstract:船木・山川のグループは,深宇宙探索を目指した磁気プラズマセイル推進機の検討を実施している。同推進システムでは,超電導マグネットの作る強力な磁気モーメントと太陽風(プラズマ)との相互作用を利用して推進力を実現する。宇宙機では,電力源として一般に太陽電池を利用するが,超電導マグネットへの励磁制御にはDC/DCコンバータが利用されることから,電源回路特有のリップル特性と超電導マグネットの熱損失特性を含む安定性を検討するすることは,上記マグネットの最適設計に際して重要である。
 本講演では,上記背景を考慮した磁気プラズマセイル用マグネットの設計を指向し,主として熱損失特性の観点からの検討現状を報告する。特に,Y系高温超電導テープ材の温度,磁場ベクトル,臨界電流特性バラツキ他を考慮したコイルの電流輸送特性の評価を解析的かつ実験的に検討したので,その成果を中心に説明する。