TDM方式FBG光ファイバセンサによる極低温下の多点温度計測試験

Experimental study on multi-point cryogenic measurement using TDM based FBG optical sensors


田村 琢之, 上明戸 昇 (飛島建設技術研); 田中 芳親, 長嶋 賢 (鉄道総研); 寺田 佳弘, 奥村 昌平 (フジクラ)


Abstract:熱伝導性が小さいガラスを素材とし、径が小さい光ファイバセンサは、計測信号を伝達する光ファイバを通じた熱の移動が少ないことから、極低温環境における有効な計測技術の一つと考えられている。そのうちFBG(Fiber Bragg Grating)光ファイバセンサは、常温域において0.1℃程度の分解能を伴った温度依存性を持つため、計測対象温度域の感度を考慮すれば、極低温下で温度を計測することができる可能性がある。このとき、極低温域だけでなく、常温域を含めて温度計測を行う場合は、大きな温度変化に相当する波長出力幅を持つ必要があり、波長領域でFBGを多重化するWDM方式では、個々のFBGの出力幅が不足する可能性がある。本稿では、時間領域でFBGを多重化するTDM方式を用いた極低温下の温度計測実験において、常温域を含めた温度範囲での多点計測の可能性を検証した結果を報告する。