交流磁界発生用超電導マグネットの運転電流

Operating current of HTS AC superconducting magnet


海保 勝之, 岡野 真, 淵野 修一郎 (産総研)


Abstract:YBCO薄膜超電導体を用いて製作された1パンケーキコイルに50Hzの交流電流を流して発生できる交流磁界の大きさについて理論的検討を行った。その結果以下の3点が明らかとなった。
(1)交流損失が小さいマグネットは超電導体は温度上昇後熱平衡状態になる。
(2)交流損失が大きくなると冷却しきれなくなり、熱暴走する。
(3)熱暴走に至らない交流磁界の限界があり、解析的にその値を求める事ができた。
ここで明らかとされた事柄は交流超電導マグネットの開発において重要な指針となり、発生できる交流磁界の限界を数式で明らかとしたことは大きな成果であると思われる。