ヘリオトロン炉FFHRにおける熱流束低減のための高温超伝導ヘリカル・ダイバータコイルの検討

High-Temperature Superconducting Helical Divertor Coils for Heat Flux Reduction in FFHR


柳 長門, 三戸 利行, 後藤 拓也, 田中 照也, 今川 信作, 相良 明男 (NIFS)


Abstract:ヘリオトロン(LHD)型核融合エネルギー炉 FFHR の概念設計が鋭意進められている。炉設計において重要な課題のひとつとして、荷電粒子が最終的に真空容器壁に到達するダイバータ部における熱・粒子負荷低減がある。今回、ダイバータ近傍の真空容器外側に小さなヘリカルコイルを設置して、メインのヘリカルコイルの2〜3%の電流を交流で印加することによって、熱・粒子負荷の分散(ダイバータスイープ)を行うことを検討している。工学設計として、このヘリカルダイバータコイルに高温超伝導(HTS)導体を適用することは有効と考える。必要なコイル電流値は 750 kA 程度であり、30 kA 級導体、25ターンで構成することを検討しており、導体にはY系薄膜線材を緩く撚り合わせた構造を候補としている。交流の周波数は 0.5 Hz 程度であり、真空容器(放射線シールド)による磁気遮蔽効果や、導体の交流損失について検討を進めている。これらについて報告を行う。