超電導免震装置における振動伝達特性と減衰特性

Vibration Transmission and Damping Characteristics in a Superconducting Seismic Isolation Device


佐々木 修平, 島田 健作, 谷貝 剛, 津田 理, 濱島 高太郎 (東北大); 川井 伸康, 安井 健治 (奥村組)


Abstract:超電導バルク体と永久磁石から構成される磁気浮上型超電導免震装置の振動伝達特性と減衰特性について報告する。
初期位置における浮上層の静止安定浮上を実現させるために,非接触の復元機構として永久磁石対向型システムを考案した。この永久磁石対向型システムによって,浮上層の静止安定浮上が可能となったが,永久磁石の磁気的結合(吸引力)によって,新たに固有周波数が発生し,地上層の振動が浮上層に伝達することが確認された。
そこで,永久磁石間に銅板を設置し,銅板に鎖交する磁束変化によって生じる渦電流によって,振動時における永久磁石間の吸引力の低減を図った。その結果,振動伝達特性を抑制することができ,同時に振動後における減衰特性も向上した。
しかし,ある一定量以上の渦電流ダンパーを追加すると,振動伝達率が増加し,振動伝達率と減衰特性がトレードオフの関係にあることが分かった。この両者の関係について検討したので報告する。