テラヘルツ帯での伝送線路型超伝導検出器の設計

Design of Transmission-line Superconducting Detector in Terahertz Band


高橋 研太 (東北大); 有吉 誠一郎 (理研); 野口 卓 (国立天文台); 大谷 知行 (理研)


Abstract:光周波数が1THz以上で動作する高効率検出器、伝送線路型超伝導検出器の研究開発を進めている。これは超伝導トンネル接合素子(STJ)を用いたクーパー対破壊型検出器の一つで、超伝導ギャップ周波数以上(超伝導材料にNbを用いた場合は約0.7THz以上)で動作する。
この伝送線路型STJ検出器の特長は、超伝導体-絶縁体-超伝導体(SIS)の3層膜構造の接合長を十分長く取ることにより、ほぼ100%の光検出効率が期待できる点にある。
本検出器は従来の微小SIS接合を用いた検出器を上回る高い検出感度を秘めており、将来的にはテラヘルツ帯での天文応用や産業応用への展開が期待される。
本講演では、検出器設計に関する伝送線路の物理と数値計算を中心に発表し、その後の検出器作製や性能評価についても述べる予定である。