コンビナトリアルNd:YAG-PLD法によるピンニング材料ドープYBCO膜の高速最適化

High-throughput optimization of pinning material-doped YBCO films by combinatorial Nd:YAG-PLD method


一野 祐亮, 吉田 隆, 吉村 拓也, 金沢 由樹, 高井 吉明 (名大); 吉積 正晃, 和泉 輝郎, 塩原 融 (SRL); 加藤 丈晴 (JFCC)


Abstract:これまで、Nd:YAG-PLD法によって、単結晶基板やIBAD-MgO中間層を持つ金属基板上にYBCO薄膜を作製し、その超伝導特性を評価した。その結果、Tc~90 K、Jc>1 MA/cm2@77 Kそして、Ic=190 A/cm-w@77 Kが得られ、Nd:YAG-PLD法がYBCO膜作製プロセスとして有効であることを示した。
YBCO線材の磁場中Jc向上や粒界Jc損失低減のためには、YBCO膜へのピンニング材料やキャリアドーピング材料の添加が有効である。しかし、過剰な添加はJcの低下を招くため、最適添加量の探索が必要である。
本稿では、コンビナトリアルNd:YAG-PLD法を用いて、BaSnO3やCaなどの添加量の異なるYBCO膜を一枚の基板上に作製し、評価することで、最適添加量探索の高速化を行った。
BSO添加量を0から9wt%まで連続的に変化させたYBCO膜を作製しc軸長を評価した結果、BSO添加量増加に伴ってc軸長が長くなる傾向が得られた。これは、BSOがYBCO膜中に分離されずに混合されていることを示している。また、Caドープに関しても同様の結果が得られている。当日は、これらの試料の超伝導特性に関しても報告する。