磁性メソポーラスカーボンを用いた難分解性溶存有機物の高勾配磁気分離除去(その2)

High gradient magnetic separation of dissolved organic matters by magnetic mesoporus activated carbon


三浦 大介, 近藤 慶 (首都大)


Abstract:本研究では市販のヤシ殻粒状活性炭をガス賦活処理により、難分解性溶存有機物であるフミン質の物理吸着に適しているメソ孔と磁性を与えることで高速で磁気分離回収し、さらに再生処理を行うによるゼロエミッション化を検討した。ヤシ殻活性炭に硝酸鉄水溶液を真空含浸し、N2およびCO2雰囲気中で熱処理することで、活性炭に強磁性とメソ孔を与えた。硝酸鉄水溶液の濃度1.6 mol/Lおよび含浸時間3時間の条件のもとで、30.7 emu/gの飽和磁化を得た。フミン吸着能は細孔分布に依存し、試薬のフミン酸溶液吸着実験の結果から15nm程度の細孔が吸着能を大きく支配することがわかった。吸着後の磁性活性炭をN2雰囲気中で再度熱処理することで93.1%の吸着能が回復し、さらに磁性線フィルタを装填した磁場0.5 T、流速1 m/sの条件下での磁気分離に成功した。