Development of the superconducting solenoid magnets for the MUSIC project
吉田 誠 (KEK); 福田 光宏, 畑中 吉治, 久野 良孝 (阪大); 荻津 透 (KEK); 佐藤 朗 (阪大); 山本 明 (KEK)
Abstract:超伝導ソレノイド磁石を用いた新しいミューオンビームラインを建設する計画(MUSIC計画)を、大阪大学核物理研究センターにおいて進めており、2010年4月に超伝導磁石の試運転を開始する。MUSICでは陽子標的を直径90cmの大口径超伝導ソレノイドコイルで取り巻き、標的から生じたパイオンを強磁場で捕獲、輸送し、大強度のミューオンビームを生成する。パイオン捕獲用ソレノイド磁石は3.5テスラ、それに続く輸送ソレノイドは2テスラの磁場を生成する。すべての超伝導磁石は液体ヘリウムを使わずGM冷凍機のみによって冷却されるため、少ないコストで、しかも容易に運転することが可能である。ただし、陽子標的からの強烈な放射線によって超伝導コイルに核発熱が生じるため、発熱量をシミュレーションで見積もり、1W以下になるようにコイル内側の放射線シールドやコイルレイアウトを設計した。本公演では、超伝導ソレノイド磁石システムの設計、製作、試運転の結果について報告する。