High-precision temperature control using a GM cryocooler
中村 太紀, 長谷川 靖洋, 村田 正行, 山本 浩也 (埼玉大); 小峰 啓史 (茨城大)
Abstract: GM冷凍機のディスプレーサーは、ヘリウムガスを膨張・圧縮するために約1秒1サイクルのピストン運動を行っている。4.2K付近の温度領域では試料まで熱を伝える銅の熱伝導率が低温で非常に大きいため、ディスプレーサーの振動が原因で積極的に温度制御を行っても±200mK程度の温度振動が生じることが課題となっていた。そこで我々は温度振動を緩和するバンパーとして、厚さ0.1〜1mmのG-FRPを市販のGM冷凍機を用いた低温物性測定装置に適用し、2ループ温度制御を行うことで4.2Kでの温度振動を±0.5mK以内に抑えた。また、このときの3.5000K〜300.000Kそれぞれの温度領域での標準偏差は1.2mK以下であった。以上のように、室温から低温までの全温度領域で高精度な温度制御を実現したのでここに報告する。