磁化活性汚泥処理水の三次処理への磁気分離法の適用

Application of Magnetic Separation for Tertiary Treatment of Effluent from Magnetic Activated Sludge Process


小林 力, 酒井 保藏 (宇都宮大); SAHA Mihir Lal (Dhaka University)


Abstract:磁化活性汚泥法は維持管理簡単、余剰汚泥ゼロで下水などの有機廃水を浄化できる方法である。しかし、微生物の自己分解により余剰汚泥ゼロを達成するため、細胞壁片など微生物由来の難分解性有機懸濁物質が処理水中にわずかに流出する。また、廃水中のリン成分についても原理的に除去できない。そこで、これらの欠点を改善するために、三次処理としての磁気分離法について検討した。いくつかの磁気分離装置を適用し、その可能性を実験的に評価した。その結果、前処理をおこなわずに磁気分離装置を通過させるだけで濁度を10NTU以下(もっとも厳しい上乗せ基準値以下)に改善できることがわかった。また、凝集処理をおこなえばリンも同時に除去でき、濁度も2〜3NTUとろ過に近いレベルまで下げることが可能であった。分離速度も空塔速度で数百m/dと高速砂ろ過よりもさらに高速で分離でき、三次処理の大幅な小型化も可能であることが示唆された。