275kV系統YBCO超電導モデルケーブルの過電流通電特性評価

Over-current charactristics of 275kV YBCO Superconducting Power Cable


神谷 侑司, 王 旭東, 植田 浩史, 石山 敦士 (早大); 八木 正史 (古河電工); 藤原 昇 (SRL-SRL)


Abstract:近年、電力需要の増加に伴い、電力輸送システムの拡充が急務となっている。超電導ケーブルは、電力輸送の高密度化と低損失化という特性を兼ね備えていることから、この課題を解決する最も適した解決策である。275 kV系統の電力ケーブルは最大で63 kArms, 0.6 sの短絡事故電流が通過する恐れがあり、それゆえ短絡事故電流による突発的な温度上昇が超電導線材の劣化・焼損を引き起こさないよう、超電導保護層としての線材安定化層、銅フォーマや銅シールド層を設計することが必要となる。そこで私たちは超電導保護層の最適化設計のための計算機シミュレータの開発を行っており、今回は、作製した2本のYBCOモデルケーブルを用いて過電流通電試験を行い、超電導ケーブル内の温度上昇について数値シミュレーションの結果と比較検討を行った。また、線材安定化層の銅メッキ厚と銅シールド層の断面積をパラメータにYBCO超電導ケーブル内の温度上昇について解析評価を行ったので報告する。

本研究は「イットリウム系超電導電力機器技術開発プロジェクト」の一部としてNEDOの委託により実施したものである。