RE123系線材の特性把握 (1)過電流劣化と線材剥離に関する検討

Understanding of deterioration phenomenon for RE123 coated conductors (1) Study on deterioration by over current and delamination behavior


坂井 直道, 中尾 公一, 波頭 経裕 (SRL); 王 旭東, 石山 敦士 (早大); 加藤 丈晴 (JFCC); 八木 正史 (古河電工); 青木 裕治 (昭和電線); 市川 祐士, 藤原 昇, 田辺 圭一 (SRL)


Abstract:NEDO_Y系プロジェクトにおける線材開発/線材の特性把握の一環として、各種ストレス(過電流、湿度、機械歪、熱歪、加熱)による劣化を調査している。今回は、主に過電流に対する劣化と線材の剥離現象に関して報告する。液体窒素中、熱暴走限界以下の電流値で1000時間を越える連続交流過通電試験を実施することで、フロー領域では劣化せず、劣化は安定化層を流れる電流による発熱が原因であることが示唆された。また、パルス過電流試験により劣化した箇所と、テープスター・MO観察・SQUID非破壊検査および微細組織観察により検出された欠陥を比較検討することで、線材剥離が過電流劣化の一因となっていることが示唆された。ここで線材の剥離が様々な劣化の原因となっていることから、線材の剥離強度を測定するとともに剥離面の分析を実施することで、線材剥離の現象に関し調査を行った。その結果、通常、RE123/CeO2界面近傍で剥離が発生するが、熱処理条件により基板成分の酸化による剥離が生じることが判明した。本研究は「イットリウム系超電導電力機器技術開発プロジェクト」としてNEDOの委託により実施したものである。