ポインチングベクトル法による超伝導変圧器の運転モニタリングシステムの開発(3) − 負荷変動中の巻線異常の検出 −

Development of A Monitoring System of Superconducting Transformer by Using the Poynting's Vector Method3-Detection of abnormal conditions in winding during load change-


小坂 亮大, 羽生 大仁, 川越 明史, 住吉 文夫 (鹿児島大); 岡本 洋 (九州電力)


Abstract:超伝導機器の実用化に向けた研究開発が進んでいる。実用に耐えうる高い信頼性をもった超伝導機器であっても、機器の状態を常に監視しておく必要がある。また、何らかの事故が発生した場合に事故前後で機器の状態に変化がないかどうか診断することも必要である。これまでに試作した容量500VAの小型超伝導変圧器に本モニタリングシステムを適用し、負荷一定運転中の超伝導変圧器の異常が検出できることを実証している。今回は、負荷変動中の超伝導変圧器で発生する異常を検出できるかどうかを実験的に調べた。負荷変動中の異常を検出するために、コイルの中心から上下対称の位置に測定素子をセットし、その差を観測するという方法を採用した。この方法により、負荷変動時のポインチングベクトルの変化と、異常時のポインチングベクトルの変化を区別できるようになる。実験では、0.34Ωから0.68Ωまで変化する抵抗負荷を用いて、負荷を変動させた。その結果、負荷変動中の巻線異常を検出できること実証したので、その内容について報告する。