新しい動作原理に基づいた超電導式液面計の提案

Proposal of a Superconducting Level Sensor Based on a New Principle of Operation


柁川 一弘, 井上 拓郎 (九大); 山田 豊 (東海大); 青木 五男 (ジェック東理社)


Abstract:液体水素用の超電導式液面計として、様々なシース材を持つMgB2線材を適用したものがこれまでに試作、試験されている。通常の超電導式液面計の動作原理は、液体と気化ガスの冷却特性の違いを利用しており、鉛直に配置した超電導線に適当な電流を通電すると、ガス中の発熱と冷却の熱的なバランスにより、ガス中に配置された部分のみが抵抗を有する常電導状態となり、超電導線の両端電圧を測定することで液面の位置を把握できる。しかし、水素は可燃性ガスのため、特に加圧排出の際に不活性ガスであるヘリウムが使用される状況も想定され、充填時の純水素ガス雰囲気も併せて、複数の種類のガス中で液面計が正常に動作することが要求される。そこで今回、冷却特性の異なるガス中でも出力が一定となる新しい超電導式液面計を考案したので、その構造と動作原理、および数値解析を用いた動作特性の予備的検証の結果について報告する。