コンビナトリアル-Nd:YAG-PLD法による新規磁束ピンニング材料の高速スクリーニング

Rapid screening of new flux pinning material by means of combinatorial Nd:YAG-PLD method


一野 祐亮, 吉田 隆, 吉村 拓也, 高井 吉明 (名大); 喜多 隆介, 鈴木 浩二, 竹内 稔晃 (静岡大)


Abstract:これまで、初期コスト、ランニングコストが安価なNd:YAGレーザーを用いてYBCO薄膜を作製し、エキシマレーザーと遜色ないことを明らかにしてきた。また、コンビナトリアル法を用いることで、磁束ピン止め材料添加量を高速に最適化できることも報告した。現在、このコンビナトリアル法を用いて新規ピン止め材料の探索を行っている。今回は、YBCOと反応しにくい材料として、Ba-Tb-O化合物とIn-Ba-Cu-O化合物を添加したYBCO薄膜を作製した。その結果、両物質共に添加量の増加に伴ってTcが低下する傾向が見られたが、In-Ba-Cu-OではJcの磁場印加角度依存性において、B//cでJcのピークが見られた。つまり、何らかのc軸相関ピンが生じていることを示している。現在の所、BSOやBZO添加程劇的な向上は得られていないが、他のIn系化合物がc軸相関を持った新規ピン止め材料となり得る可能性を示唆している。