高アスペクト比断面をもつMgB2テープ線材の開発2 ―交流損失特性―

Development of MgB2 tapes with high aspect-ratio cross-sections 2 -AC loss properties -


川越 明史, 若林 佑樹, 吉留 佑介, 川畑 秋馬, 住吉 文夫 (鹿児島大); 柳 長門, 三戸 利行 (NIFS); 木内 勝, 小田部 荘司, 松下 照男 (九工大); 高橋 雅也, 岡田 道哉 (日立)
kawagoe*eee.kagoshima-u.ac.jp


Abstract:核融合装置や電力貯蔵装置用超伝導コイルの高性能化のために、高い断面アスペクト比をもつMgB2テープ線材の開発を行っている。本テープ線材は、丸線材を圧延したもので、高臨界電流密度と低交流損失の両方の性能向上が期待できる。今回は、交流損失が低減することを実験的に調べた。特に、フィラメントがテープ形状になったことによってヒステリシス損失が低減するかどうかを、単芯線を用いて測定した。元の丸線材の直径は、0.81mm、0.59mm、0.46mmの3種類の丸線材で、アスペクト比を変えた2種類のテープ線をそれぞれの丸線材から作製した。テープ線のアスペクト比は、2と4程度である。テープ線と丸線の磁化を比較して、テープ線のヒステリシス損失が低減できることを示す。