高アスペクト比断面をもつMgB2テープ線材の開発1 ―臨界電流特性―

Development of MgB2 tapes with high aspect-ratio cross-sections 1 - Critical current properties -


若林 佑樹, 松島 健介, 川越 明史, 川畑 秋馬, 住吉 文夫 (鹿児島大); 柳 長門, 三戸 利行 (NIFS); 松下 照男, 木内 勝, 小田部 荘司 (九工大); 高橋 雅也, 岡田 道哉 (日立)
k9366378*kadai.jp


Abstract:核融合装置や電力貯蔵装置用超伝導コイルの高性能化のために、高い断面アスペクト比をもつMgB2テープ線材の開発を行っている。
本テープ線材は、丸線材を圧延したもので、高臨界電流密度と低交流損失の両方の性能向上が期待できる。
今回は、フィラメントがテープ形状になったことが臨界電流特性に及ばす効果を定量的に明らかにするために、単芯線を用いた実験を行ったので、その結果について報告する。
元の丸線材の直径は、0.81mm、0.59mm、0.46mmの3種類で、アスペクト比の違う2種類のテープ線をそれぞれの丸線材から作製した。
テープ線のフィラメントのアスペクト比は、2.1〜9.2まで圧延されていた。
アスペクト比が9.2のテープ線の臨界電流密度は、元の丸線の4.5倍であった。また、元の丸線材の臨界電流密度や直径に関わらず、フィラメントのアスペクト比に依存して臨界電流密度が向上することがわかった。
臨界電流密度が向上するメカニズムに関しても検討し、報告する。