Dependence of transport-current losses in MgB2 wire on temperature and frequency
川野 友裕, 柁川 一弘 （九大）； 中村 武恒, 山田 裕輝, 菅野 未知央 （京大）； 高橋 雅也, 岡田 道哉 （日立）
kawano*sc.kyushu-u.ac.jp
Abstract:エネルギー問題や環境問題を解決する先進技術の一つとして模索されている水素利用社会において、密度の観点から液体水素という形態で利用されることも不可欠である。高付加価値をもつ液体水素を移送時に極力気化させないために、我々は移送するためのポンプを駆動するモータを超電導化することで、システム全体の損失低減を目指す。
まず、かご型誘導モータの回転子の超電導化により、高性能化と大幅な低損失化を実現した。更なる損失低減化を目指して、固定子巻線をも超電導線材で構成した全超電導モータを開発するため、三相交流通電に伴い発生する交流損失を評価する必要がある。
その一環として、本研究ではまず巻線に想定するMgB2線材の通電損失を電気的に測定した。MgB2単芯線材に自己磁場下で交流電流を通電し、四端子法により通電損失を測定した。温度はヘリウムガスフローによる伝導冷却で制御し、周波数も変化させて通電損失を測定した。得られた結果と別に実施した臨界電流特性を適用した臨界状態モデルにより算出される理論値とを比較・検討した。