ホットプレス加工によるin situ PIT法MgB2線材の臨界電流特性向上

Improvement of critical current properties of in situ PIT MgB2 tapes by applying hot pressing


山田 秀之, 五十嵐 基仁 (JR東海); 熊倉 浩明, 北口 仁, 松本 明善 (NIMS ); 太刀川 恭治, 山田 豊, 根本 豊 (東海大)
h.yamada*jr-central.co.jp


Abstract:in situ PIT法により作製したMgB2線材について、ホットプレス加工を行った。ホットプレス加工前の線材は、MgH2とBの混合粉末を鉄管に充填し、幅約4mm、厚さ約0.5mmに伸線加工して作製した。SiC粉末とエチルトルエンの同時添加線材も作製した。ホットプレス加工はアルゴンガス雰囲気で、100MPa 、630℃で2?10時間行った。比較として、ホットプレスなしの熱処理、630℃で2?10時間も行った。
ホットプレス加工により断面積が減少し、ホットプレスなしの熱処理で約0.55mm2に対して、ホットプレス加工を行うと、約0.44mm2であった。
Ic測定は4.2Kで12Tまでの磁場中で実施し、得られたJcは、5時間ホットプレスした無添加線材で、10TでJc=87A/mm2の値が得られ、ホットプレスなしで熱処理した線材の約2.5倍であった。また、5時間ホットプレスした同時添加線材では、10TでJc=450A/mm2の値が得られ、ホットプレスなしで熱処理した同時添加線材が10TでJc=330A/mm2であったので、それより高い値が得られた。
これらの結果より、明らかに、ホットプレス加工によりMgB2コアの密度が高くなり、それによってJcが向上することがわかった。